放置は危険!台所水漏れが招く本当の恐怖
台所の蛇口からポタポタと落ちる一滴の水。シンク下のかすかな湿り気。これらを「大したことはない」と見過ごし、放置してしまうと、やがてあなたの家を蝕む深刻な二次被害へと発展する可能性があります。水漏れそのものの修理費よりも、はるかに恐ろしく、高額な代償を払うことになる本当の恐怖について、知っておく必要があります。まず、最も起こりやすいのが、床材の腐食です。キッチンの床の下地には、合板などの木材が使われていることがほとんどです。水漏れによって常に床が湿った状態にあると、この木材が水分を吸って腐り始めます。最初は床がフカフカと沈むような感触から始まり、進行すると床が抜け落ちる危険性さえあります。腐った床材の張り替えは、大掛かりなリフォーム工事となり、数十万円単位の費用がかかることも珍しくありません。次に深刻なのが、カビの発生です。湿気の多い床下や壁の内部は、カビにとって絶好の繁殖場所です。発生したカビは、アレルギーや喘息、皮膚炎といった健康被害を引き起こす原因となります。目に見えない場所で繁殖したカビの胞子が室内に飛散し、知らず知らずのうちに家族の健康を蝕んでいくのです。さらに、湿った木材はシロアリを呼び寄せます。シロアリは家の土台や柱を食い荒らし、建物の耐震性を著しく低下させます。一度シロアリの被害に遭うと、駆除費用と建物の修復費用で、数百万単位の出費になることもあります。マンションなどの集合住宅の場合は、被害は自分の家だけでは収まりません。階下の住戸に水漏れが及べば、その天井や壁、家財道具に対する損害賠償責任を負うことになります。たかが水漏れと侮ってはいけません。早期発見と迅速な対応こそが、これらの恐ろしい二次被害から身を守る唯一の方法なのです。