最近の住宅で増えている、すっきりとしたデザインが魅力のタンクレストイレ。しかし、このタイプのトイレで水が流れなくなったり、流れる勢いが極端に弱くなったりした場合、従来のタンク式トイレとは少し異なる視点で原因を探る必要があります。なぜなら、タンクレストイレは水の力だけでなく、電気の力で洗浄の仕組みを制御しているからです。故障を疑う前に、いくつかの基本的なポイントを確認してみましょう。 まず最初にチェックすべきは「電気系統」です。タンクレストイレは、水道の圧力を電子制御の弁でコントロールして水を流す仕組みです。そのため、電気が供給されていなければ、洗浄機能は一切作動しません。まずは、トイレのコンセントが抜けていないか、ブレーカーが落ちていないかを確認してください。また、意外な見落としがちなのが、壁に取り付けられたリモコンの電池切れです。本体のボタンでは流れるのにリモコンだけが反応しない場合は、まず電池交換を試してみましょう。停電時にも洗浄できないモデルが多いことも、頭の片隅に置いておくべきです。 電気系統に問題がないと判断できたら、次は従来のトイレと同じく「水系統」を確認します。トイレの横や後ろにある止水栓が何かの拍子に閉まっていないか、また、近隣での水道工事などによる断水が起きていないかを確かめます。 これらを確認しても状況が改善しない場合、タンクレストイレ特有の原因として考えられるのが、給水ホースとの接続部分にある「ストレーナー(フィルター)」の詰まりです。水道水に含まれる微細なゴミや錆がこのフィルターに溜まると、水の供給量が減ってしまい、洗浄に必要な水圧が得られなくなります。このフィルターの清掃は、取扱説明書に手順が記載されていることが多いですが、少しでも不安があれば無理せず専門業者に依頼するのが賢明です。もし、これらのチェック項目を全てクリアしても直らない場合は、内部の電磁弁や電子基板といった心臓部の故障が考えられます。タンクレストイレは精密な家電製品でもあるため、速やかにメーカーのサポートや専門の水道業者に相談することをお勧めします。
静かなタンクレストイレ水がたまらない時のチェックリスト