水道設備のトラブルに直面した時、多くの人は「修理して使い続ける」か「新しいものに交換するか」という二つの選択肢で悩みます。その判断基準となるのが、修理にかかる費用と、設備を交換した場合の総費用の比較です。特に、設置から十年以上が経過した蛇口やトイレの場合、一度修理してもすぐに別の箇所が故障する可能性も高く、長期的な視点で見れば交換してしまった方が結果的に安く済むケースも少なくありません。 例えば、キッチンの蛇口を新しいものに交換する場合、工事費用そのものの相場は一万円から二万円程度です。これに、新しく取り付ける蛇口本体の価格が加わります。シンプルな単水栓であれば数千円からありますが、シャワー機能や浄水機能が付いた高機能な混合水栓になると、数万円から十万円を超えるものまで様々です。つまり、総費用は「どのグレードの蛇口を選ぶか」によって大きく変動するのです。もし修理費用が一万円以上かかるようであれば、少し費用を足して最新の使いやすい蛇口に一新してしまう、というのも賢い選択肢と言えるでしょう。 トイレの交換も同様の考え方ができます。便器とタンクを交換する基本的な工事の費用相場は、二万円から五万円程度です。これにトイレ本体の価格が上乗せされます。シンプルな組み合わせ型トイレなら五万円前後からありますが、節水性能や自動洗浄機能が付いた一体型や、デザイン性の高いタンクレストイレになると、十万円から三十万円以上するものもあります。 ここで重要なのは、古いトイレから最新の節水型トイレに交換することで、日々の水道代が大幅に節約できるという点です。十年以上前のトイレと比較すると、一度に流す水の量が半分以下になるモデルも珍しくありません。初期費用は高額に感じられるかもしれませんが、数年単位で見れば水道代の節約分で工事費用を回収できる可能性も十分にあります。水道工事の費用を考える際は、目先の修理代だけでなく、設備の寿命や将来的なランニングコストまで含めた総合的な視点を持つことが、後悔のない選択に繋がるのです。