トイレの便座が故障したり、汚れが目立ってきたりした際、専門の業者に依頼せず自分自身で交換作業を行うことは、費用を抑えるだけでなく住まいへの理解を深める絶好の機会となります。作業を始める前に最も重要となるのが、現在使用している便器のサイズ確認です。日本の便器には大きく分けて大型のエロンゲートサイズと標準的なレギュラーサイズの二種類が存在します。これらを間違えて購入してしまうと、取り付け自体はできても便座が便器からはみ出したり、逆に足りなかったりと不格好な仕上がりになり、衛生面でも問題が生じます。そのため、便座を固定している穴の間隔や穴から便器先端までの距離を正確に測定し、購入予定の製品が適合するかを事前にメーカーの適合表で照らし合わせることが成功への第一歩となります。実際の作業工程では、まず止水栓を閉めることから始めます。これを怠ると給水ホースを外した瞬間に水が噴き出し、トイレ内が浸水する恐れがあるため、マイナスドライバーなどを使って確実に閉まったことを確認してください。止水栓を閉めた後は、一度タンク内の水を流して配管内の圧力を下げておきます。次に、古い便座を固定しているナットを外します。便器の裏側に手を伸ばすと左右二箇所で固定されているのが分かりますが、長年の使用で尿石などが固着している場合は、無理に回そうとせず市販の潤滑剤を吹き付けて少し時間を置くとスムーズに外れます。便座を取り外すと普段の掃除では届かない場所の汚れが露わになるため、この機会に徹底的に清掃を行い、清潔な状態にしてから新しい便座のベースプレートを設置しましょう。ベースプレートの設置は、便座の前後左右のバランスを決める重要な工程です。プレートを仮止めした状態で新しい便座を一度差し込み、便器の縁と綺麗に重なっているか、蓋を開けたときにタンクに干渉しないかを確認します。位置が決まったらネジを本締めしますが、陶器製の便器は一点に強い力が加わると割れる可能性があるため、適度な力加減を意識してください。最後に給水ホースを接続し、止水栓をゆっくり開けて水漏れがないかを確認します。温水洗浄便座の場合はアース線を確実に接続し、電源を入れてノズル動作や暖房機能のチェックを行えば完了です。自分で行う交換作業は、丁寧に進めれば一時間程度で終えることができ、新しい便座がもたらす清潔感と快適さは日々の生活の質を大きく向上させてくれるはずです。
自分でできるトイレの便座交換手順と重要事項