我が家のトイレの便座に小さな亀裂を見つけたとき、最初は業者に電話しようと考えました。しかし、ネットで調べると「自分で交換すれば工賃が浮く」という言葉が並んでおり、日曜大工の経験がほとんどない私でも挑戦してみることにしました。家電量販店で手頃な価格の温水洗浄便座を購入し、いざ段ボールを開けたときは、複雑そうな部品やホースを前にして少し後悔しましたが、取扱説明書を読み進めるうちに構造自体は意外とシンプルであることを理解しました。まず最初の壁は、十数年も触っていなかった止水栓が固くて回らなかったことです。無理をして配管を壊しては大変だと慎重に力を込め、ようやく回ったときの感触は今でも忘れられません。水が止まったことを確認し、古い便座を外すと、そこには長年の汚れが蓄積されており、その清掃だけで一時間近く費やしましたが、自分の手で真っさらに磨き上げた便器に新しい設備を載せるのは、代えがたい清々しさがありました。取り付け作業で最も神経を使ったのは、給水ホースの接続部から水が漏れないようにすることでした。パッキンを正しい向きで入れ、ネジ山を潰さないように慎重に指先で回してからレンチで締め付けました。すべての工程を終え、祈るような気持ちで止水栓をゆっくり開けたとき、どこからも水が漏れてこないのを見て、思わずトイレの中で小さくガッツポーズをしてしまいました。電源を入れて温かい便座に座った瞬間の感動は、プロに頼んでいたら味わえなかった種類のものです。今回の経験で学んだのは、事前の準備さえしっかりしていれば、専門的な工具がなくても家庭にあるモンキーレンチとドライバーだけで十分に作業が可能だということです。自分でメンテナンスしたことでトイレという空間に愛着が湧き、その後の掃除も以前より丁寧に行うようになりました。費用を節約できた喜びはもちろんですが、それ以上に「自分の家の設備を自分で直した」という自信が得られたことが、今回挑戦して一番良かったと感じる点です。苦労して自分でやり遂げたことで、家の設備に対する愛着が深まり、構造についても詳しくなることができました。何より、浮いた工賃で少し高機能なモデルを選べたことは、家族からも大好評でした。失敗を恐れずに挑戦して本当に良かったと感じています。
初心者が挑戦したトイレ便座交換の体験記